外壁塗装・屋根塗装は本当に必要なの?
塗装というと色を塗るというイメージがあるかもしれません。
そんな塗装ですが、建物の塗装となるといいお値段ですよね?
「そもそも高いお金を支払ってまで塗装する必要はあるの?」
このような疑問を抱くのも至極当然なことだと思います。
こちらではこのような疑問を抱いた方にぜひ最後までご覧になっていただきたいです。
窯業系サイディングやモルタルなどの外壁材、スレートやガルバリウム鋼板などの屋根材、これらはどれもお手入れが必要なものです。
いまのところなにもしなくてもいい建材はどこにもありません。
そのまま手つかずにいると老朽化を早め、雨漏りするのも時間の問題でしょう。
塗装工事が必要、というよりも大切な建物を維持していくために塗装工事などを含むメンテナンスを行うことが大切です。
塗装工事はそのメンテナンスの中で最もスタンダードな方法といえます。
外壁塗装の必要性
▶外壁塗装はなぜ必要なのか?
外壁塗装をする目的は「建物の美観性を高めるため」「風雨などから建物を保護するため」です。とくに「保護」という観点がとても重要です。
色をつけているだけに見えますが、塗装には雨や風、太陽光などから建物を守る効果があります。塗装工事では接合箇所のコーキングの劣化も修繕します。外壁塗装は窯業系サイディングでもモルタル外壁でもALCパワーボードでも必要です。
▶外壁をメンテナンスせずに放っておくと?
塗装は外壁の防水性能を高める効果があります。その効果が低下すれば水が染み込み建物の状態を悪くさせます。すぐに雨漏りすることはありませんが、最初に外壁に異常が発生し、最悪は崩落へと被害を大きくさせます。
さらに水が内部に浸透すると、次は雨漏りのリスクを高めます。建物をつくる柱や土台などの構造体が濡れると耐震性が低下、シロアリを寄せ付ける原因にもなります。
劣化が進行するほど修繕する範囲が広くなり、大掛かりな工事が必要になります。工事規模が大きくなるほど修理にかかる費用も負担が大きくなります。外壁塗装はこのような被害の拡大を防ぐ大事なメンテナンスです。
以下に外壁の劣化症状をご紹介します。こちらの症状が見られましたらメンテナンスをご検討ください。
1.塗膜の色褪せ、艶がなくなる
外壁の塗膜は風雨や紫外線、熱などにより劣化してきます。色褪せや艶がなくなる症状は、最初に見られる劣化の兆候です。艶が落ちるのを艶引けといいます。
塗装は下地処理が重要です。下地処理が疎かになっていると見た目よりも防水効果が落ちている可能性があります。
2.小さいひびが増える
塗膜が劣化すると保水性を保つようになります。膨張と収縮の動きが大きくなるため、外壁にはクラックが発生してきます。
クラックは水が内部に流れ込み、外壁そのものにダメージを与えます。構造クラックまで被害を大きくさせると耐震性の低下をまねきます。
3.ひび割れ(クラック現象)が大きくなり始める
最初は軽微なクラック(ヘアークラック)だったのが、症状が進行するにつれて構造クラックまで発展します。クラック幅0.3mm未満をヘアークラック、0.3mm以上を構造クラックと分類されています。
4.水が内部まで流れ込み劣化が急速に進む
最終的に構造体まで水が流れてこないのは防水紙を覆っているからです。ですが、その防水紙も効果に限界があります。
水に触れつづけるとその分だけ劣化の進行を早めます。防水紙が機能しなくなれば、建物に大きな被害を与える雨漏りへと被害を拡大させます。
外壁に色褪せやクラックなどの症状が出てくるのが10年前後。外壁塗装に使用される塗料の耐用年数の多くが10年前後。このことから外壁をメンテナンスするタイミングは築10年が目安です。
このタイミングで塗装せずに放置すると被害が大きくなり、大掛かりな工事が必要になる可能性があります。外壁塗装のタイミングはあくまでも目安ですが、そのままにするよりも一度プロに塗装が必要か見てもらうことをおすすめします。
外壁塗装のメンテナンスのタイミングはあくまでも目安ですので、心配な方はぜひ一度プロに見てもらいましょう。
それでは次にメンテナンスをしなかった場合にどうなってしまうのか、そして費用がどれくらいかかるのかご紹介いたします。
▶外壁の劣化が進行すると何が起こる?
外壁の劣化が激しく、塗装だけでは対応できない場合は、張り替え工事やカバー工法をご検討していただくことになります。
張り替え工事とカバー工法の相場を見てみましょう。
・張り替え工事 約150~300万円
外壁に亀裂や崩落がある場合、雨漏りがあり防水紙の効果が期待できない場合に外壁を下地から新しくする工事が行われます。
現在の外壁を解体してから外壁を新しくしていくため工事規模が大きくなり、費用や工事期間がかかります。
・カバー工法 約100~250万円
外壁の強度は保たれているが、内部の防水紙の効果が期待できない場合にカバー工法で工事が行われます。
カバー工法は重ね張りとも言われており、その名のとおり現在の外壁に新しい外壁を重ねます。
張り替え工事にある解体が省かれ、費用や工事期間にかかる負担が軽減されます。
・外壁の雨漏り修理 約5~50万円
雨漏りは屋根からのイメージが先行されますが、外壁からでも発生します。
外壁は広範囲なためどこから雨漏りしているか特定が難しいところです。
水が侵入してきても断熱材に吸収され、部屋まで症状が出ないこともあります。
ここで提示した費用は雨漏りの被害が小さく、修理する範囲が狭い場合です。
柱などの構造体に被害が及んでいる場合は張り替え工事やカバー工法が必要です。
・シロアリ駆除工事 約30~60万円
木材が雨に濡れるとシロアリを寄せ付ける原因になります。
シロアリは湿った木材が大好物です。
多湿なところを好むため、水気を帯びている場所は要注意。
目視できない内側から侵食するため、シロアリが外に現れた時にはすでに食い荒らされていて手遅れなことが多くあります。
柱や土台に被害が及ぶと張り替え工事などの外装や内装の修繕が必要です。
シロアリ駆除は5年ごとが目安です。
被害を受けてしまってからでは大変なため、定期的にシロアリ駆除をおすすめします。
外壁のメンテナンスを怠ると柱や土台がある内部まで被害を拡大させます。
外壁塗装は大きな被害に至らないようにする予防となります。
被害が大きくならないように適切なタイミングで外壁塗装をしましょう。
外壁材はいくつか種類があります。外壁の中には塗装してはいけない外壁もあるのはご存知でしょうか?
次は外壁塗装が必要な外壁材について見てみましょう。
▶外壁塗装が必要な外壁材
防水効果を高めるためにも外壁塗装が必要!と言われてもなんとなく分かったようで納得いっていない・・・
そんな方は、こちらの外壁材別、外壁塗装が必要な理由を一読してみてください。
窯業系・金属系サイディング
現在では普及率が最も高い外壁が窯業系サイディングです。セメントと繊維質を主原料としています。セメントが基材なため、サイディング自体に防水性はありません。水が染み込んでしまうため、塗装で防水性をもたせています。金属サイディングもメッキが傷つけばそこから錆びてくるため、状態に応じて塗装が必要です。
モルタル
昔から用いられている外壁材。「セメント・砂・水」を混ぜ合わせてつくります。水を使う施工方法を湿式工法といいます。サイディングと同様にモルタルそのものに防水性はありません。膨張と収縮によるクラックもあるため、定期的な塗装が必要です。
タイル
タイルは耐水性に優れ、変色が起こりにくい素材です。基本的に塗装不要な外装材です。ただし、目地の劣化やエフロレッセンスといった美観の低下があるため、近年では無色透明のクリヤー塗料を塗って保護性能を高めることもあります。年数が経過するとタイルが剥離してくるため、こちらの点検と補修が必要です。
各外壁材は性質、メンテナンス方法、劣化症状などが違います。塗装が必要なものや不要なものもあります。
塗装してはいけない外壁もあるので、気になる方はこちらをご覧ください。
屋根塗装の必要性
▶屋根塗装はなぜ必要なのか
屋根塗装も外壁塗装と同じく「美観性の向上」と「屋根材の保護」のために行います。
屋根がどのように劣化していくのか、そしてどんないつメンテナンスをするか知っておきましょう。
▶屋根メンテナンスをせずに放っておくと現れる劣化症状
塗装の色褪せやコケ、カビ、チョーキングの発生
コケ・カビ
色褪せ
屋根はなにも遮るものがありません。そのため、雨や風、太陽光、飛来物など様々な影響を強く受けます。外壁よりも劣化しやすい環境にさらされています。
最初は塗膜が色褪せから始まり、汚れや苔の繁殖など美観性が低下してきます。美観性の低下は劣化の初期の段階です。この時点でメンテナンスを行なっておくと劣化の進行を防ぐことができます。
屋根材のひび割れやずれ、破損
ひび割れ
ずれ
破損
塗膜が劣化すると屋根材内部に水が浸透して脆弱してきます。脆くなった屋根材は割れや欠けが発生し、破片物が飛散する危険性があります。
屋根材がずれてしまったり、歪んでしまったりすることも起きています。屋根の劣化は雨漏りにも気を付けておかなければなりません。
塗装は傷んだ部分の修理も一緒に行うため、屋根を良好な状態に保ちます。色褪せや苔の発生、チョーキングなど症状が軽いうちに対処しておくのが理想です。
もし、屋根を傷んだまま放っておくと大規模な屋根工事が必要になってきます。
▶屋根メンテナンスを怠るとどうなる?
葺き替え工事 約60~250万円
現在の屋根を解体して新しく野地板から葺き直すのが葺き替え工事です。カバー工法よりも建物への負担が少なく、耐震性を保ちます。もし瓦など重い屋根材から金属屋根のような軽い屋根材に葺き替えると重心が下がり耐震性を高めることができます。
カバー工法 約80~120万円
外壁と同様に現在の屋根の上に新しい屋根材を被せる工法です。カバー工法は重ね葺きとも呼んでいます。解体が最小限に抑えられているため、葺き替え工事よりも安く屋根を新しくできます。スレートや金属屋根など平板な屋根に施工できます。
屋根の劣化が進むとここまで費用がかかってしまいます。
塗装は建物を正常な状態に保ち、被害を拡大させないための予防です。
適切なタイミングで塗装を行い、屋根を長く守っていきましょう。
また、屋根材には塗装してはいけない種類もあります。 みなさんのお家の屋根が塗装していいのか、いけないのかはこちらでご紹介しています。
屋根はパッと見ただけでは判断できるものではありません。高所で目視できるところでもありませんので、点検はプロにおまかせください。
“mu”